数学を得点源に大学(文系)に進学したら?経済・経営・商学部の違い

用賀校・

文系学部のなかでも、特に経済・経営・商学部では、入試科目で数学を選択できる大学が沢山あります。もともと数学が得意だった生徒さんも文系学部を受験しやすくなっているのですが、実は「得意な数学を武器に戦っていきたい私が、経済・経営・商学部に行ったらどうなるの?」と漠然とした疑問を持っている人も少なくないと思います。

今回は、数学という観点から経済・経営・商学部をみてみたいと思います。

予め確認しておきますが、経済・経営・商学部は数学を使わなくても問題なく十分にやっていけます。数学が得意でない生徒さんも安心して経済・経営・商学部を志望してください。

ただ、今回のテーマとして、もし数学が得意ならばこんな活用方法があるということをご紹介してみます。

 

私のバック・グラウンド (大学入学以降の数学との関わり方)

実は、私自身も数十年前は(自称)数学が得意な高校生で理系志望でした。(以下、少なからず「自慢話」が入っているので、適当に読み飛ばして次のセクションに行ってください。)

それが、浪人時代にいきなり文転して(更にもう一年浪人して)一橋大学経済学部に入学しました。大学で何の気なしに出席したミクロ経済学の授業で、教授がバリバリに数学を使いまくっていたのに感動しました。それ以降、数学を基礎からしっかりと学びなおすようになりました。特に、微積分が数学的なアプローチだけではイメージし辛かったので理系科目の教授に個人指導してもらった思い出があります。

大学卒業後は銀行に就職。当時は、バブル景気に沸いていたので残業も多かったのですが、青山学院の専門職大学院(国際経営学)にも通いました。その後、銀行の海外派遣留学生に選ばれて、フランスの大学院で2年間勉強するチャンスを得ました。当時は、日本企業も景気が良かったので、大学院の学費や飛行機代とは別に純粋な給料だけで年収1,000万円も貰えるという素晴らしく恵まれた時代でした。フランスでは、最初はファイナンスを専攻していたのですが、金融派生商品(通称デリバティブ”)からクオンツ系と呼ばれる数量分析にのめり込むようになり、2年目からは数学専攻の博士課程で学んでいました。結局、銀行からの派遣期間が終了した段階で大学院も辞めて帰国してしまったので博士課程は修了していませんが、文系学部の出身者としてはかなり数学に関わった方だと思います。

 

経済学部・経営学部・商学部の違い

経営学と商学は両方とも個別の企業が分析対象であり、その違いは曖昧なので私にもよく分かりません。但し、経済学経営・商学明確に違う分野です。

しかし、なぜか「経済学部」「経営学部」「商学部」になると大学によって様々なパターンがあります。

ある大学では経済学部のなかに経営学科があるのに、別の大学では経営学部のなかに経済学科がある大学もあります。更に、「商学」という言葉をカタカナにした上に、最近流行の「国際」をつけて「国際ビジネス」といった呼び名も増えています。結局、経済学部・経営学部・商学部の違いは曖昧なもので、その中身で判断しなければならないように思われます。

 

経済学の分野

経済学の分野を大別すると「マクロ経済学」「ミクロ経済学」「計量経済学」「マルクス経済学」などが挙げられるでしょう。

まず、毛色の変わったところで「マルクス経済学」をみてみましょう。最近でこそ流行らないのかもしれませんが、社会主義・共産主義の思想のベースとなる学問です。一見、数学とは無縁に見えるのですが、「産業連関分析」なども実はマルクス経済学の一分野です。

次に、「マクロ経済学」ですが、これはGDP・失業率・インフレ率等の政府の経済政策で使う指標を使った分析となります。従って、その分析対象国民経済政府財政といったものになることから、巨視的(マクロ)という名称がついたように聞いています。

数学との関連では、経済指標の数字を後述する会計学に類似した手法で分析するだけであれば、高度な数学は使いません(つまり、足し算・引き算・掛け算・割り算だけを使う)。一方で、抽象的な理論展開を得意とする経済学者のなかには微積分を応用する流派もあるので、その場合は数学をバリバリに使います。

また、「ミクロ経済学」では、主に資本主義の完全競争市場におけるモノの価格の決まり方を分析します。マルクス経済学ではそのモノを製造するために要した労働の量が重視されるのですが、ミクロ経済学では、完全競争市場での価格はそのモノからもたらされる限界効用に一致するといった方向で議論が進められます。ミクロ経済学という名称は、完全競争市場で自由に行動できる個人や企業といったミクロな動きを分析することに由来しているとのことです。

数学との関係では、限界効用の「限界(marginal)という概念が微積分と相性がいいので非常によく使います。例えば、「合理的な個人は予算という制約条件の下でその効用(関数)を最大化するように行動するので、価格は効用曲線の傾きに一致する。」(高校生の皆さんは、いまは理解できなくても結構ですが、単に数学と近い話をしている雰囲気を感じてください)となれば、微積分の概念が大活躍することになります。

最後に「計量経済学」ですが、これは実際の経済統計のデータを使った数量分析を通じて上述した経済理論の妥当性を検証するものです。通常は、統計データの入手が簡単なマクロ経済の分析が中心となります。しかし、ミクロ経済学(例えば、企業が持っているビッグデータの数量分析etc.)や場合によってはマルクス経済学の分野でも、計量経済学の分析対象となりえます。

数学的には、当然ながら統計学を駆使することになります。例えば、回帰分析を実施する場合に、最近では優秀なパソコン・ソフトがあるので適当にデータを入力すればそれなりの分析結果を返してくれます。但し、回帰分析の理論的なバックグラウンドを理解するためには、高度な数学的知識が必要とされます。

 

経営学・商学の分野

経営学・商学は、個別の企業レベルで利益を最大化のためにどうすればいいのか?(簡単に言えば、どうやったら儲かるか?)を分析する学問です。ダイナミックなビジネスの現場に直結しているので様々な新しい分野が日々生まれているので、全ての分野を網羅することはできません。簡単に思いつくものとしては、「簿記・会計学」「企業戦略」「企業ガバナンス・コンプライアンス」「マーケティング」「ファイナンス」・・・などの分野が挙げられます。

まず、わかり易いものとして「簿記・会計学」は、高校生でも聞いたことがある分野だと思います。この分野の最高峰の国家資格である公認会計士を目指している生徒さんもいらっしゃるかもしれません。ビジネスの現場で簿記・会計学を極めると、詳細な数字を正確に積み上げていくので「数字に強いスペシャリスト」と呼ばれるでしょうが、そこで使っているのは四則演算(+-x÷)が中心なので、必ずしも「数学に強い~」という訳ではありません。

数学を使うという観点から、「マーケティング」と「ファイナンス」に限定して説明したいと思います。他の分野は、受験が終わった頃に「もしドラ」(正式名称は、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネージメント」を読んだら」)を読みでください。この本は、経営学についてわかり易く解説してあります。

マーケティング」は、市場調査・分析をベースに自社の製品を多くの消費者に買ってもらうor多くの消費者が買いたくなる製品を開発する施策を考える学問です。華やかな広告戦略にスポットライトが当たるかもしれませんが、そのベースとなる市場調査・分析には統計学の高度な手法が応用されています。

ファイナンス」は、更に「企業財務」と「金融商品の価格決定」の分野に分かれます。「企業財務」は大手銀行の法人融資部門に近い内容となっているので、「簿記・会計学」に近いイメージかもしれません。従って、あまり高度な数学は必要とされません。一方、「金商品の価格」は大手銀行のトレーディング部門に近い内容となっていて、特にデリバティブと呼ばれる金融派生商品の価格決定で有名なブラック・ショールズのモデル(Black Sholes model)では確率過程論(stochastics)に基づいて微分方程式を解くことになるので、非常に高度な数学が要求されます

 

高校の数学との違い

実務で数学を使うとなると、やはり、統計学が最強なんだろうと思います。詳しくは、受験が終わったら昨年ヒットしたビジネス書である「統計学が最強の学問である」を読んでみてください。

ちなみに、大学に入ると微積分や確率・統計について、基礎概念から学びなおすことになります。具体的には、高校の数学で行列と言えば、暗黙の了解として22列しか出題されるのですが、大学で統計データを使って回帰分析をしようとする時にはn行m列(例えば、5010,000列)のデータを扱うことも珍しくありません。このように大きな行列を含む数式を微分して、誤差を最小にする値を計算するようになります。

この辺りを理解する為には、理系に進学した学生と同様に大学でしっかりと学びなおす必要があります。

 

結論

まず数学が苦手な人が経済・経営・商学部に進んでも全く問題ありません

でも、もし数学が得意な人が経済・経営・商学部に進んだとしても、理工学部と同様数学を活かして活躍する場があるので安心してください。個人的な印象とすれば、数学が得意だとできることが広がるので生涯年収も上がるような気がします。

大学受験では「文系数学」「理系数学」と別れているけど、どちらにしても大学に入れば特に微積分や確率・統計の分野では基礎概念から学びなおすので大差ありません。

例えて言うなら、中学受験で「旅人算」や「つるかめ算」が苦手でも、その後、方程式を学びなおせば問題ないのと似ているかもしれません(ちょっと変な例えかな・・・)

今回は、大学入学後で学ぶ専門的な内容について説明してみたのですが、もし、学部選びで迷ったら武田塾用賀校の無料受験相談に来てみてください

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